昨日ブログに書いた得体の知れない海の生物についてですが、何だったのかが判明しました!
去年の夏に奄美大島でシュノーケルしてた時に見た軟体生物。
見た目は透明でクラゲのようなジェリー状の物体なのに、ウミヘビのようにウネウネニョロニョロと海の中を活発に泳ぎ回る奇妙な生き物。
これは、【サルパ】という生物でした!
サルパは植物性プランクトンを食べる生き物で、植物性プランクトンが大発生するとサルパも大発生することもあるんだとか。
海外や国内の色んな海でスキンダイビング(素潜り)してきましたが、初めてサルパを見たので今回はサルパについてのブログです。
サルパの外見
見た目は透明でクラゲのようなジェリー状。形状は細長いです。
長さは物体によってまちまちで、短い物もあれば、うんと長いものもいます。
↓これは短いもの
↓これは長いもの
よく見ると透明なジェリー玉が数珠つなぎに連結していて、一個一個のジェリー玉の中には核のような粒があります。
↓背景に珊瑚礁があるから分かりにくいかも?
サルパって何?
私が見た摩訶不思議な軟体生物の名前が分かって物凄くスッキリしましたが、ところで「サルパ」って何?と思って調べてみました。
サルパは、生物学上はホヤの仲間に分類されていて、プランクトン性の尾索動物(びさくどうぶつ)。
海中でプランクトンを濾過して食べていて、脊椎動物に属する生物。
透明でジェリーっぽい外見だからクラゲのように思いがちだけど、生物学上はクラゲとは似て非なるものなんですね。
生息域・分布
サルパは、赤道下、温帯、冷帯の海に棲息。(結構どこにでも居るってことか?)
最も多く見られるのは南極海で、深海で大発生してオキアミより巨大な群れを形成することもあるらしいです。
大発生すると漁にも影響が出ることがあるようで、網に大量のサルパが入ってしまうととても厄介らしいです。
動くサルパ
私が見た長い鎖状に連なったサルパは実によく動き、透明なウミヘビのように海の中を自在に動き回ってました。
でもね、この動きが摩訶不思議に感じる要因なんですよ。
サルパ自体に頭、体、尻尾、ヒレ等がないのに、どうやって動いているのか。
長い鎖状に連なってもどっちの先端が頭なのか尻なのか?まるで分かりませんでした。
調べてみると、サルパは収縮することで体内に水を取り込み、推進力を生み出しているとのこと。
先端に開いている口のような部分から海水を吸い込み、その時に植物性プランクトンも一緒にこしとって食べつつ、吸い込んだ海水を吐き出すとそれが推進力になるんです。
なんて効率の良いジェット推進法。
しかもエサを食べながら移動というか、動きながら常にエサも食べてるというか、動きに無駄がない。
↓私が見た動くサルパ
長い鎖状に連なってもジェリー状の球体がくっつき合ってできてる物体だから、個々の球体が好き勝手にジェット推進するから真っ直ぐに進むことができずに不規則なニョロニョロ、ウネウネした動きになるんだろうか?という疑問がまた湧いてくる。やっぱり謎な生き物です。
動きながら常にエサを食べてるサルパだけあって、植物プランクトンが豊富にあるとサルパは急速にクローンを産むみたいです。だから大発生するときもあるんでしょうね。しかも、あらゆる多細胞動物よりも急速に成長できるから海の植物プランクトンを急激に低下させることもあるようです。
私が見た海域には長~いサルパがウヨウヨいてめっちゃ活発に動き回ってたから、きっと植物プランクトンがいっぱいあったんだろうな。摩訶不思議な生物の謎が解けたからまたサルパに出会ってみたいです。
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